川崎重工とソニーグループは、2021年12月1日よりリモートロボットプラットフォーム事業の新合弁会社「リモートロボティクス株式会社」の営業を開始。全ての人々が社会参加できるリモート社会の実現を目指し、リモートロボットプラットフォームを通じて、安全で安心な新しいワークスタイルを提案していく予定です。同社社長の田中宏和氏、副社長の長谷川省吾氏の両名に、リモートロボティクスの今後についてお話を聞きました。
プロフィール
田中 宏和
リモートロボティクス株式会社
代表取締役社長
- 1998年:ソニー株式会社入社
- 2005年:米国Sony Electronics Inc.出向(2010年帰任)
- 2015年:ソニー株式会社 デジタルイメージング事業本部 センシングモジュールビジネス部門 統括部長
- 2016年:ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社 B2Bセグメント事業部門 統括部長
- 2021年:ソニーグループ株式会社 新規事業探索部門 統括部長
長谷川 省吾
リモートロボティクス株式会社
代表取締役副社長
- 1986年:川崎重工業株式会社入社 ロボット事業部門
- 2003年:ドイツ Kawasaki Robotics GmbH 出向(2008年帰任)
- 2008年:川崎重工業株式会社 ロボット事業部門 各適用技術開発部署の部門長(一般産機、半導体、車体・塗装)
リモートロボティクスが挑む社会課題
田中社長:我々が今直面している課題は、このコロナ禍において、まだリモートで働けない人々がたくさんいるということです。そういった人々のために、ロボット及びそれを遠隔操作する仕組み、人と事業所を繋いでいく仕組みを提供することで、社会課題の解決に寄与できないかと考えています。
長谷川副社長:特に日本ですね。国内では労働力不足が叫ばれていますし、これから何十年にわたって労働力が減少していくという推測がされています。
今、田中さんが仰られたように、リアルな現場で働く人々のリモートでの労働参加、もしくは現場になかなか行けなかった人たちが、労働力として働くことができるようになる世界、そういった世界を作っていきたいと思っています。
田中社長:その中で、まずは遠隔でロボットを操作・指示をするシステムの提供。もう1つはワーカーと事業者をつないでいく、いわゆるエンゲージメントの仕組みを提供したいと考えています。
リモートロボティクスが提供していきたいこと
長谷川副社長:我々が提供するプラットフォームでは、最初に事業者のロボットシステムと遠隔地にいる作業者の方々をつなぐサービスを提供していく予定です。
田中社長:リモートの仕組みを構築すると、作業者の方が実際に現場に行かなくていいだけでなく、複数の現場の作業をリモートで行うことができるため、時間の有効活用にもつながります。リモートを導入することで、時間的にも生産性が上がるということです。
長谷川副社長:作業者の方が行くことができない現場もあります。そこでは作業者の人としての知見や技能を活かすことができません。そういった現場と人を物理的には離れた状態で繋ぐ。これが実現できれば、我々のサービスが活きるのではないかと思います。
田中社長:我々のサービス、仕組みの中で大切にしたいのは、やはり人に寄り添うというところだと思います。ロボットを導入して完全自動化を進めていくことができる領域はあります。
しかし、完全自動化に進むという方向は、どちらかと言えば、人が要らなくなる方向だと思います。我々は人に寄り添うことで、人が作業することにより生み出される価値を大切にしたいと考えているのです。
「全ての人々が社会参加できるリモート社会を目指して」
田中社長:これまで申し上げた世界観を実現するために、ソニーグループと川崎重工の技術・ノウハウを結集していくつもりです。しかし、我々2社だけではできないことも当然あるでしょう。
長谷川副社長:我々の目指す社会・世界を作っていくためには、たくさんの人たちと一緒になってやっていく必要があると考えています。
田中社長:偶然の出会い、新たな発見、そこから生み出される価値。ここを大切にしていくため、ダイバーシティは重要です。
長谷川副社長:我々、リモートロボティクスを中心に、様々なパートナーと一緒に社会変革を起こしていきたいと考えています。
すべての人が社会参加できる世界では、仕事や働き方はつらいものではなく、楽しいものでなくてはならないと思っています。
我々のサービスを使うことで、「何だ、仕事ってこんなに楽しかったんだ」と感じられるようなプラットフォームを提供していきたい。皆さん、新しい働き方を提案できるように是非一緒にやっていきましょう。
田中社長:リモートロボティクス株式会社を通じて、今リモートで働いているオフィスワーカーだけでなく、すべての人が社会に参画できる、そんな世の中をしっかり作っていきたいと思っています。どうぞリモートロボティクスの今後の活動にご期待ください。