

川崎重工は、ソーシャルロボットの実証実験場「Future Lab HANEDA※1」(所在地:東京都大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティD2-3)の運用を2025年12月14日に終了します。
「Future Lab HANEDA」がこれまで担ってきたソーシャルロボットの開発と実証実験の場としての機能は、同じく「羽田イノベーションシティ」内に有するソーシャルイノベーション共創拠点「CO-CREATION PARK – KAWARUBA※2」(以下、KAWARUBA)に統合します。
今回の統合により、「Future Lab HANEDA」内のレストラン「AI_SCAPE」は、2025年12月14日をもって運用を終了します。2022年4月のオープン以来、皆さまにご利用いただける“ロボットとの出会いの場“として、多くのお客様にご利用いただきました。”ロボットとの出会いの場“としての機能は、当社が運営するロボットショールーム「Kawasaki Robostage」(所在地:東京都港区台場2-3-1)に移管します。加えて、子どもたちがロボットに触れることができるイベント「カワサキロボットエンジニアになろう!」などの開催を通じて、引き続き、皆さまとロボットとの出会いの場を提供していきます。
当社は、1969年の「カワサキユニメート2000」発表以来、日本初の産業用ロボットメーカーとして、様々な業界の自動化を通じ、ものづくりの発展に取り組んできました。現在、当社は、労働人口減少に代表される社会課題の解決に向けて、ソーシャルロボットの開発に取り組んでおり、様々な現場での利用を想定した実証実験を行っています。また、一部のソーシャルロボットは、既に製品として実際の現場で活躍しています。
「Future Lab HANEDA」では、2022年4月の開所以降、自律走行型ソーシャルロボット「Nyokkey」のオープンイノベーションによる自律走行・アーム動作等の機能開発、ユーザーフレンドリーなUIの開発・運用、サービスロボットの安全な運用に関する規格※3のトレーシング、ロボットフレンドリーな環境の構築に関するノウハウの蓄積などに取り組んできました。加えて、デジタル庁「複数のモビリティの協調運行に関する実証調査研究」※4など多くの実証・開発を行ってまいりました。
このような「Future Lab HANEDA」での開発・実証を経て、現在は「Nyokkey」は介護現場での活用※5や鴻海科技グループとの共同開発による看護師補助ロボット※6など、具体的な社会ニーズに合わせたビジネスフェーズに移行したことから、発展的な形として、「KAWARUBA」に機能を移し事業化に向けて取り組むことで、より強力な開発体制を構築し、ソーシャルロボットの社会実装を推進していきます。


※1 川崎重工、ICMG、きらぼし銀行の3社が羽田空港(日本空港ビルデング・羽田未来総合研究所)および大田区と共創し、さまざまな社会課題解決に向け、実証実験、社会実装といった目に見える形の具現化を重ねていくことで、未来につながるエコシステム(持続可能なサービスの生態系)を構築していくことを目指す「羽田共創プロジェクト」の一環として開設された、ロボティクスを活用した社会課題解決のための実証実験場。ロボットの研究開発場「YouComeLab(ユーカムラボ)」、ロボットによる実証実験レストラン「AI_SCAPE(アイ・スケープ)」で構成される。
※2 川崎重工が2024年11月に開所した、ソーシャルイノベーション共創拠点。チャレンジテーマとして「ロボットと生きる、喜び豊かな未来をささえる社会の実現」や「水素・カーボンニュートラルソリューションでグリーン社会の新時代を切り拓く」を設定し、多様な実証フィールドを活用しながら、事業起点でソリューション開発を推進している。(https://kawaruba.com/)
※3 経済産業省「日本発のサービスロボットの安全な運用に関する国際規格が発行されました」(2023年11月13日)https://www.meti.go.jp/press/2023/11/20231113001/20231113001.html
※4 デジタル庁「複数のモビリティの協調運行に関する実証調査研究」(2024年3月)
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9f4e70e2-2335-4181-8293-258c12549d31/8d42a535/20240508_policies_mobility_report_01.pdf
※5 川崎重工「介護現場向けソーシャルロボットの開発に本格着手」(2024年11月26日)
https://www.khi.co.jp/news/detail/20241126_1.html
※6 川崎重工「台湾企業の鴻海科技グループと看護師補助ロボットを共同開発」(2025年7月4日)https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20250704_1.html