展示会出展レポート:JISSO PROTEC 2025

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川崎重工は、2025年6月4日(水)〜6日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された「JISSO PROTEC 2025(第26回 実装プロセステクノロジー展)」に出展しました。電子部品実装技術の最先端が集まるこの展示会は、「電子機器トータルソリューション展」の総称のもとJPCA showをはじめとする6つの展示会と同時開催され、当社は双腕スカラ型と垂直多関節型の2種類の協働ロボットによる革新的なソリューションを実機展示とプレゼンテーションを通じてご紹介しました。

当社ブースでは、双腕スカラ型の協働ロボット「duAro1」による基板のネジ締めセルや、6軸垂直多関節型の協働ロボット「CLシリーズ」4機種を参考出展しました。

duAro1は、2本の腕でマルチタスクをこなし作業効率を向上させるとともに、簡単設置が可能な100V電源対応モデルです。CLシリーズは6軸の自由度を活かしながら軽量・高精度・高速動作を実現します。

実機展示①:双腕スカラ型の協働ロボット「duAro1」によるネジ締めパッケージ

双腕スカラ型の協働ロボット「duAro1」によるネジ締めパッケージ

ブース中央に展示された「duAro」パッケージセルでは、実際の基板を用いたデモンストレーションを実施。
以下のような一連の作業を来場者の目の前で披露しました:

  • 左手で大小異なる大きさの基板をツールチェンジせずにセット
  • 右手のビジョンカメラでネジ位置を認識
  • 7本のネジを正確に締め付け
  • ハーネスを片手で避けながら、ネジを締めていく“ながら作業”
ネジ締めパッケージセルduAro Kawasaki

duAroのハンドには、K-AddOn*対応のSMC製真空グリッパーや標準ツールチェンジャー付きドライバーといった周辺機器が組み込まれており、“導入後すぐに使える完成された自動化パッケージ”として高い注目を集めました。

展示では、ロボット単体ではなく、K-AddOn対応機器を組み合わせた“すぐに使えるパッケージ構成”にこだわり、設計・調整工数の削減や立ち上げの容易さなどが見どころとなっております。

*K-AddOn:川崎重工のロボットと接続確認が済んでいるロボット周辺機器

実機展示②:6軸垂直多関節型の協働ロボット「CLシリーズ」

6軸垂直多関節型の協働ロボット「CLシリーズ」

今回の展示会では、Neura Roboticsとの協業により開発された6軸多関節型協働ロボット「CLシリーズ」も出展しました。

CLシリーズは、高精度・高速動作に加え、IP66等級の防塵・防水性能、衝突検知機能などを標準搭載。タブレット操作やダイレクトティーチにも対応しております。

6軸垂直多関節型の強みは、自由度の高い動作が可能な点。狭いスペースでの並行作業にはduAro、複雑な軌道や多方向からのアプローチが必要な工程にはCLシリーズと、用途に応じた選択肢を提供できる点が強みです。

プレゼンテーションを披露

JPCA2025 Kawasakiブースの様子

展示会初日から、川崎重工ブースには多くの来場者にお越しいただきました。特に注目を集めたのが、1日複数回実施されたプレゼンテーション。開始前からブース前には人が集まりました。

国内初の産業用ロボットカワサキユニメート2000型

プレゼンではまず、川崎重工のロボット事業の歩みが紹介されました。1969年に日本初の産業用ロボット「ユニメート2000型」を発表して以来、同社は自動車、半導体、食品、医薬品など多様な業界に向けてロボットを提供してきた実績を持ちます。バイクや航空機のイメージが強い川崎重工ですが、実はロボット分野でも長い歴史と高い技術力を誇っています。

ネジ締めパッケージセルduAro

続いて、製造現場で課題となっているネジ締め工程の自動化について説明がありました。ネジ締めは一見単純に見えるものの、部品の押さえや位置合わせ、ハーネス処理など複数の作業が絡むため、自動化が難しい工程とされています。

こうした課題に対するソリューションとして紹介されたのが、双腕スカラ型協働ロボット「duAro」を活用したネジ締め自動化パッケージです。人の手作業に近い動きで複雑な工程をこなす様子に、多くの来場者に実機をご覧頂きました。


3日間で多くの来場者にご来訪いただき、製品に関する具体的なご質問や導入相談も多数寄せられました。 川崎重工は、今後も“人とロボットが共に働く現場”の実現に向けて、現場目線のソリューションを開発・提供してまいります。