2024年7月4日(木)~6日(土)の三日間、Aichi Sky Expoで開催された「ロボットテクノロジージャパン(ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2024)」を視察したので、レポートします。
本展示会は、2022年の初回から隔年で開催され、今回は第2回目。前回はコロナ禍の影響も残りましたが、今回は244社・団体が出展、三日間で延べ46,000人以上の方が来場され盛況となりました。
今回、川崎重工は単独でのブース出展はしなかったものの、商社やパートナー企業様のブース、また主催者企画展ゾーンでカワサキロボットが活躍していました。
パートナー連携により「ソリューション」として進化するカワサキロボット
ロボットテクノロジージャパンの会場に着き、まず訪問したのは、機械総合商社「井高」様のブース。 メインエントランス正面で、カワサキの大型汎用ロボット「BXシリーズ」の先端に2軸を追加した計8軸のロボットシステムが紹介されていました。 この8軸ロボットシステムは、弊社の航空宇宙システムカンパニーが社内適用のために開発したもので、その長いリーチを使い、航空機など高さのある機体表面の研磨での適用(サンディング:以前の塗装をやすりで落とす作業)を疑似的にデモンストレーションしていました。 作業範囲の自由度が増すことで、他の製造業や物流業界でも応用可能とのことです。
次に訪れたのは、大手機械要素部品メーカー「THK」様の出展ブース。 同社は、K-AddOnパートナー(当社ロボットとの接続が容易な機器を販売するパートナー)でもあり、展示会ではカワサキロボットとの連携ソリューションをいつも紹介していただいている、とても有難い存在です。(https://kawasakirobotics.com/jp/products/k-addon/)
今回、同社ブースではカワサキロボットのRSシリーズと双腕の協働ロボットduAro(デュアロ)を使い、同社の「ならいハンド」と「ピッキングロボットハンドシステム」でコンベア上を流れるワークのピッキング・ハンドリングのデモを実演していました。
ロボットの遠隔操作で「場所にとらわれない働き方」を提案
6月に東京ビッグサイトで開催された「JISSO PROTEC」で共同出展したリモートロボティクス社のブースを訪れました。 同社ブースでは、ロボット遠隔操作業務を実現するクラウドサービス「Remolink(リモリンク)」を活用し、一人のワーカーが3拠点のロボットの遠隔操作を行うデモを実施していました。
デモでは、弊社の西神戸工場ショールームの自走式ロボット「TRanbo-7(トランボ・セブン)」を遠隔で繋ぎ、何か想定外のトラブルでロボットが停止した場合でも、現場に設置されたカメラの映像から状態を把握し、Remolink画面上の操作で作業復帰が行えることをプレゼンで紹介していました。
「体験に勝るものはない」を具体化した展示コーナー
最後に訪れたのは、主催者企画展の「産業用ロボット体験ゾーン」。 ここでは、ロボットテクノロジージャパンの会場の中でも、産業用ロボットが持つ「正確性」や「スピード」を体験することを目的とし、主にSIer協会や加盟企業の協力により、計8つのシステムがまるでお祭りの屋台のように並んで展示されていました。
シューティングや的当てなどロボットとの対戦ゲームとともに列を作るほど人気だったのが、カワサキの双腕ロボット「duAro(デュアロ)」をタブレットで操作するクレーンゲーム。 ロボットをより近くに感じられることで、もしかすると将来のロボットエンジニアがこの会場から生まれるかもしれませんね。
以上、「ロボットテクノロジージャパン2024」の視察レポートでした。