フィジカルAIが切り拓く、ロボットの次のステージ―Kawasaki Roboticsの強みは現場力―

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AIの進化は、ロボットの可能性を大きく広げつつあります。
なかでも近年注目されているキーワードは「フィジカルAI」です。
フィジカルAIは、単に“賢い”だけではなく、現実の世界で動き、働き、人と関わるAIを指します。次世代におけるロボットの価値は、どれだけ社会の中で実際に使われるか、役割を果たせるかにあります。

フィジカルAIとは何か―「考えるAI」から「行動するAI」へ

これまでのAIは、主にデジタル空間での判断や最適化を得意としてきました。一方、フィジカルAIは、センサーや身体(ロボット)を通じて、現実世界で物を実際に動かすAIです。

現実の世界は、予測不能で、環境も常に変化します。その中で求められるのは、完璧な判断よりも、安全に、確実に、繰り返し動けることです。ロボットにおいて最も重要なのは「失敗しないこと」。一度の成功よりも、使い続けられる安定性こそが、フィジカルAIの価値を決めるのです。

分類対応する
人間の機能​
主な役割具体例
Perception AI​​目・耳​​環境認識、画像・音声認識​​自動運転のカメラ認識、​
音声アシスタント​​
Generative AI​​頭脳​​情報生成、創造​​画像生成AI​​
Agentic AI​​意思​​計画、意思決定、自律行動​​自律型エージェント、​
業務自動化​​
Physical AI​​身体​​物理的動作、制御​​産業用ロボット、配送ロボット​​
AIの4分類と特徴
ビジョンとAIを組み合わせることで、ロボットが周囲の状況を捉え、状況に応じて動く(画像はイメージ)

ヒューマノイドは“完成形”ではない― 段階的に広がるフィジカルAIの価値

ヒューマノイドロボットは、フィジカルAIを象徴する存在として注目を集めています。川崎重工は2015年からヒューマノイドロボットKaleidoの開発を着実に続けてきました。一方で、我々はヒューマノイドを「いきなり社会を変える存在」とは捉えていません。

ヒューマノイドの普及は、まずは人の作業を補完するところから始まり、特定の業務や環境で使われ、徐々に役割を広げていく。段階的な社会実装こそが現実的なアプローチと捉えています。重要なのは、人の仕事をすべて置き換えることではなく、人とロボットがそれぞれの強みを発揮できる役割分担を設計することです。ここに、フィジカルAIの実装の鍵があります。

Kawasaki Roboticsの強みは現場力

川崎重工が大切にしているのは、「現場で使われ続けること」です。製造業をはじめとする厳しい現場では、ロボットは止まらず、安全に、同じ品質で動き続けることが求められます。私たちは長年、こうした現場と向き合いながら、機械・制御・安全・運用を一体で磨き上げてきました。この現場起点のものづくりこそが、Kawasaki Roboticsの強みであり、フィジカルAI時代における競争力の源泉となると捉えています。

今後、川崎重工は、AIの進化を単なる技術トレンドとして追うのではなく、現場の課題解決にどう結びつけるかを起点に、フィジカルAIの実装を進めていきます。人とロボットが協調し、それぞれの強みを発揮できる環境を一つひとつの現場で実現すること。その積み重ねを通じて、ロボットを「社会に欠かせない存在」へと進化させていく。それが、川崎重工が描くフィジカルAIの未来であり、ロボットの次のステージです。