塗装ロボットは、製品への塗装作業を自動化するためのロボットです。
製品を塗装する際、熟練作業者の確保や品質のばらつき、作業環境の負荷が課題となります。

塗装ロボットを導入することで、ワークへの均一な塗布、複雑形状への追従塗装、塗料の最適な吐出制御など、人の手で行っていた作業を自動化し、品質の安定化と生産性の向上、安全性の確保に貢献します。

また、自動車部品だけでなく、建機部品、金属製品、樹脂製品など幅広い塗装対象に対応可能です。川崎重工は、中空構造アームや多様な手首バリエーションを備えた豊富なラインアップにより、小物部品から自動車車体などの大型ワークまで幅広い塗装ニーズに対応しています。

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塗装工程では、製品ごとに形状や塗装条件が異なるため、少量多品種生産の現場では段取り変更やティーチング作業が頻繁に発生し、自動化が難しい傾向にあります。特に複雑な形状のワークでは、塗装ガンの角度や距離、塗布条件の最適化が求められ、作業は熟練技能に依存しやすく、品質のばらつきが発生しやすいという課題があります。

さらに、塗装工程はミストの発生や有機溶剤の使用などにより作業環境の負荷が大きく、安全性や作業者確保の面でも課題が顕在化しています。加えて、塗料のオーバースプレーや塗布効率の低さによる材料ロス、生産ライン全体で見るとタクトの非効率なども無視できない問題です。

こうした背景から、近年では単なる自動化にとどまらず、品質・生産性・省エネルギーを同時に満たす高度な塗装プロセスが求められています。

そのため、ロボットには以下のような要件が求められます。

  • 品種変更や塗装条件の違いに柔軟に対応できる段取り性
  • 非熟練者でも扱える分かりやすい操作性
  • 複雑形状やワーク変更にも対応できる高い追従性・適応性
  • 均一で安定した塗装品質を実現する高精度な軌跡制御

川崎重工は、長年にわたり塗装ロボットの技術開発に取り組み、自動車業界をはじめとした多くの大手メーカーへの導入実績を通じて技術力を磨いてきました。これまでに培ったノウハウと品質向上への取り組みにより、高品質な塗装と生産性向上を両立し、お客様の多様なニーズに柔軟に対応しています。

安定した塗装品質を実現する高性能ロボット

安定した軌跡制御と高精度な動作により、ムラのない均一な塗装品質を実現します。また、中空構造アームによる配管内蔵や、多様な手首バリエーションにより、複雑形状のワークにも柔軟に対応可能です。さらに、防爆対応や各種塗装条件に対応した制御機能を備え、さまざまな塗装環境に適応できるロボット構成が強みです。

SIerとの連携による高度な塗装自動化提案力と柔軟なシステム構築性

さらに、当社の大きな強みはSIer(システムインテグレーター)パートナーとの連携による提案力です。塗装分野に精通したSIerと協力することで、設備構築から立ち上げまでの負担を軽減し、導入のハードルを下げています。

また、ロボット単体だけでなく、搬送装置やターンテーブルなどの周辺機器と組み合わせたシステム提案が可能であり、ワーク姿勢制御や協調動作による塗装品質の向上と生産性の最大化を実現します。これらの高度な自動化技術とパートナー連携により、塗装工程全体を最適化した、高品質かつ高効率な塗装システムの構築を実現しています。

導入事例

FRP自動化の最前線:KADO × IECが切り拓くスプレーアップ・切削工程の革新

新幹線車両塗装ライン ― 塗装ロボット×走行・昇降装置が実現する大型車両の高品質塗装(川崎車両株式会社)

複雑曲面を美しく仕上げるオートバイのカウリング塗装(カワサキモータース株式会社)

サポート&トレーニング01

川崎重工は単なるハードウェアの提供に留まりません。

  • 高い生産性を誇るロボット
  • オープンなアーキテクチャで柔軟なカスタマイズ
  • 技術に縛られない設計思想

単なる保守ではなく、ロボットの一生「導入 → 稼働 → 整備 → 更新」までをフルカバーする総合サポート体制を整えています。さらに、全国サービス拠点・24時間ヘルプデスクなど「いつでも頼れる体制」が整っており、導入後も安心して運用し続けられます。

Q1. 塗装ロボットは、どんな塗装対象・工程に向いていますか?

A. 小型部品から自動車ボディなど大型ワークまで、形状・サイズの幅が広い塗装に対応できるように、複数シリーズ/複数仕様のラインアップが用意されています。
また、「小型ワーク塗装セル」「中型ワーク塗装セル」「大型塗装セル」など、対象物や工程に合わせた適用例・構成も整理されています。

Q2. “ムラなく均一”な塗装品質を出すために、ロボット側で何が効きますか?

A. 塗装はガン軌跡・距離・姿勢の再現性が品質に直結するため、緻密な軌跡制御や安定した動作が重要です。
さらに、協調塗装(塗装ロボットと搬送ロボットが同期)では、塗布角度や相対動作を最適化して、膜厚の均一性や色調の安定化に寄与します。

Q3. 塗装不良(ホコリ・ゴミ噛み、付着不良)を減らすための“機械側の工夫”はありますか?

A. ホース内蔵アーム(中空手首にチューブ類を内蔵)により、外部に露出する配管を減らし、塗装物への異物要因を抑える構造が採用されています。
また、塗装用途に最適化された手首バリエーションにより、狭所作業や複雑形状への対応性が向上します。

Q4. 防爆エリアで使う場合、どんな対応が前提になりますか?

A. 塗装は有機溶剤を扱うため、防爆エリアでの運用が前提となることが多く、防爆仕様(内圧防爆・本質安全防爆など)に対応したロボットが必要です。
また、防爆環境下でのティーチングや操作を想定した専用の操作機器も用意されています。

Q5. “塗料使用量”や“オーバースプレー”を減らす打ち手はありますか?

A. 協調塗装により塗布効率を高め、オーバースプレーを抑制することで、塗料使用量の削減とランニングコスト低減に貢献します。
さらに、塗布方向の最適化により塗料の飛散を抑え、ブース内の汚れ低減やメンテナンス負荷軽減にも繋がります。

Q6. タクトを上げたい(生産性を上げたい)とき、塗装ロボットで効くポイントは?

A. 搬送装置や他ロボットとの協調動作により、塗布速度を維持しながら効率よく塗装でき、生産性の向上が図れます。
また、回転テーブルなどと組み合わせることで待機時間を削減し、工程全体の効率改善が可能です。

Q7. 立ち上げを早くしたい(ティーチ工数を減らしたい)場合は?

A. オフラインプログラミングやシミュレーションを活用することで、事前に動作検証や干渉チェックを実施でき、現地調整工数を削減できます。
また、ロボット間で座標系を共有することで補正作業を簡略化し、立ち上げ時間を短縮できます。

Q8. 塗装条件・履歴・稼働率などの“塗装データ管理”はどうやりますか?

A. 塗装条件や履歴、稼働率、塗料使用量などのデータを一元管理することで、品質の再現性向上とトレーサビリティ確保が可能です。
データの変更履歴を管理することで、運用改善や品質分析にも活用できます。

Q9. 塗装セルの安全と省スペースを両立したい。柵の取り回しや安全設計はどう考えますか?

A. ロボットの動作を監視する安全機能を活用することで、動作範囲に完全に依存しない柔軟な安全設計が可能となります。
これにより、安全性を確保しつつ設置スペースの最適化を図ることができます。