外観検査

外観検査とは、製品や部品の表面にあるキズ、異物、汚れ、凹凸などを検出し、品質を確認するロボットです。

従来は人による目視検査が多く行われてきましたが、検査員の経験や作業時のコンディションによって判断にばらつきが生じるほか、熟練検査員の確保や教育にも時間を要します。カメラやセンサーとロボットを組み合わせることで、製品表面を一定の条件で撮像し、検査工程の自動化・省人化を図ることができます。また、検査結果を画像やデータとして保存することで、品質管理やトレーサビリティへの活用も可能になります。

中大型部品や複雑な曲面を持つ製品の外観検査では、検査員の確保、検査品質の安定化、検査時間の短縮が大きな課題となります。

  • 熟練検査員の確保や育成に時間がかかる
  • 検査員の経験や判断基準によって、検査結果にばらつきが生じる
  • 複雑な形状や広い範囲を検査する場合、検査に多くの時間を要する
  • 目視検査では、検査結果や不良箇所を客観的なデータとして残しにくい
  • 曲面や光沢面では、照明の反射状態が変化し、安定した撮像が難しい

特に、複雑な曲面をエリアカメラで検査する場合は、撮像範囲を細かく分けて複数回撮像する必要があるため、検査時間やロボットの教示工数が増加する傾向があります。

川崎重工は、ロボットとラインスキャンカメラを組み合わせた独自の走査型外観検査技術により、複雑な曲面を持つ製品の高速・精確な検査自動化を支援します。

高速パルス出力機能による精確な撮像

川崎重工独自の高速パルス出力機能により、ロボットの手先が一定距離を移動するごとに、カメラへ撮像トリガーを出力します。ロボットの速度が変化する曲面走査時でも、移動量に応じて一定間隔で画像を取得できるため、画像の伸び縮みを抑え、不良の大きさや位置を精確に捉えることができます。

曲面に沿った高速検査

ロボットに搭載したラインスキャンカメラを製品の形状に沿って移動させることで、曲面を連続的に撮像します。撮像範囲を細かく分割する必要があるエリアカメラと比べて、撮像枚数や検査時間を削減できるため、中大型部品や複雑形状部品の検査を効率化できます。適用条件によっては、従来の検査方法と比較して大幅な高速化が期待できます。

教示・立ち上げ作業を効率化

複雑な曲面の検査では、カメラと照明を適切な姿勢に保ちながら、製品全体を漏れなく撮像するための教示が必要です。川崎重工は、ロボットシミュレーションや検査パス作成、撮像範囲の確認を支援するソフトウェアを提供し、検査プログラムの作成と事前検証を支援します。設備立ち上げや品種追加に伴う現地作業時間の短縮にも貢献します。

導入事例:複雑形状部品の外観検査を自動化、省人化と検査精度向上を実現(株式会社山口製作所)

1950年に創業した山口製作所は、戦後の技術革新とともに成長を遂げてきた精密部品メーカーです。川崎重工の「外観検査ロボットシステム」は、検査工程における不具合検出という重要な役割を担っています。

川崎重工は単なるハードウェアの提供に留まりません。

  • 高い生産性を誇るロボット
  • オープンなアーキテクチャで柔軟なカスタマイズ
  • 技術に縛られない設計思想

単なる保守ではなく、ロボットの一生「導入 → 稼働 → 整備 → 更新」までをフルカバーする総合サポート体制を整えています。
さらに、全国サービス拠点・24時間ヘルプデスクなど、「いつでも頼れる体制」が整っており、導入後も安心して運用し続けられます。

外観検査をロボット化すると、どのような効果がありますか?

一定の条件で繰り返し検査できるため、検査員の経験やコンディションによる判断のばらつきを抑え、検査品質の安定化に貢献します。また、一次検査をロボットに置き換えることで、検査員の負担軽減や省人化、検査時間の短縮が期待できます。検査結果を画像やデータとして蓄積すれば、トレーサビリティや不良傾向の分析にも活用できます。

どのような不良を検出できますか?

製品表面のキズ、異物の付着、ハジキ、打痕、凹凸など、正常な部分との反射や濃淡の違いとして撮像できる不良が主な対象です。ただし、検出できる欠陥の種類や大きさは、製品の材質、表面状態、形状、塗装、照明、カメラの仕様などによって異なります。実際のワークと欠陥サンプルを用いた撮像試験で、事前に適用可否を確認します。

複雑な曲面を持つ製品でも検査できますか?

ラインスキャンカメラをロボットで製品形状に沿って移動させることで、複雑な曲面の連続撮像に対応できます。川崎重工の高速パルス出力機能は、ロボットの手先移動量に応じて撮像トリガーを出力するため、ロボットの速度が変化する曲面でも一定間隔での撮像が可能です。

すべての製品や欠陥を検査できますか?

製品の形状や表面状態、検出対象によっては、検査が難しい場合があります。例えば、曲率が大きい箇所、深い凹形状、照明が反射しにくいマット面、模様や凹凸のある意匠面、正常部との濃淡差が小さい欠陥などは、安定した撮像や画像処理が難しいことがあります。導入前にサンプル撮像試験を行い、検査可能な範囲、対象となる欠陥、必要な検査時間などを確認します。

既存の生産ラインに導入できますか?

ワークを停止・位置決めして検査する構成に加え、設備条件を満たす場合は、コンベア上を移動するワークに同期した検査にも対応できます。既存ラインへ導入する場合は、コンベアの搬送速度、ワークの位置精度、振動、設置スペース、前後工程との連携などを確認し、最適なシステム構成を検討します。

検査結果は保存・活用できますか?

検査画像や不良情報を保存することで、製造番号、品種、検査日時、不良の種類、発生箇所などと関連付けた管理が可能です。蓄積したデータは、トレーサビリティの確保、不良発生時の確認、傾向分析、ネック工程の特定などに活用できます。保存・連携できる情報は、採用する画像処理装置やシステム構成によって異なります。

外観検査に適したロボットはどのように選定しますか?

カメラや照明の重量だけでなく、検査対象となるワークの大きさ、必要なリーチ、検査姿勢、走査速度、設置スペースなどを考慮して選定します。小型部品から中大型部品まで、検査範囲と設備条件に合わせて適切なロボットおよびシステム構成を提案します。