人とロボットの未来をつなぐ場所として ― 10年の歩み

2026年8月6日、東京・お台場の「Kawasaki Robostage」はオープン10周年を迎えます。開設以来、Kawasaki Robostageは国内外から15万人を超える来館者を迎え、ロボットの魅力や可能性を発信してきました。お台場エリアに訪れた観光客だけでなく、学生や教育関係者、ロボット活用に興味がある企業担当者、海外からの視察、そして未来のエンジニアたちに向けて、ロボットの現在と未来を伝える役割を担ってきました。
振り返ればこの10年は、社会の変化とともに、ロボットの役割そのものが大きく変化した10年でもありました。そしてKawasaki Robostageもまた、その変化とともに進化を続けてきました。節目の年にその歩みを振り返ります。
舞台は、東京五輪を控えたお台場
Kawasaki Robostageがオープンした2016年当時、日本では政府が「ロボット新戦略」を掲げ、ロボット産業の成長を国家プロジェクトとして推進していました。深刻化する社会課題や国際競争の激化を見据え、ロボット開発を後押しする実証実験フィールドの整備、ロボット利活用のための規制見直しや人材の育成など、ロボット業界に対する期待が高まっていました。
当時のお台場では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、都市整備や先端技術の発信機運が高まっていました。そうした中、川崎重工ロボットビジネスセンター(当時)は、営業部門とプロモーション部門が一体となり、お台場のオフィスビル「トレードピアお台場」に「東京ロボットセンター」を開設しました。そのショールームとして、2016年8月6日、Kawasaki Robostageが誕生しました。

「人とロボットの共存・協調」を伝える場所として
施設のコンセプトは、“「人間の創造力」と「Kawasakiの技術力」が出会い、人とロボットとの新しい関係を予感させる場所”という検討方針から、「人とロボットの共存・協調の実現」となりました。オープニングイベントでの橋本ロボットビジネスセンター長(現・代表取締役社長執行役員)の「見て、体験して、感じていただくことで、ロボットへの理解を深めていただく空間を目指す」という言葉の通り、Kawasaki Robostageは単なるショールームではなく、人々とロボットとの出会いの場としてスタートしました。

ロボットを身近にする体験展示
Kawasaki Robostageは当初からロボットを「見る」だけではなく、「体験する」ことを重視してきました。ロボットに馴染みのない来場者にも楽しめるコンテンツとして、双腕スカラ型協働ロボット「duAro」を使用した似顔絵作成コーナー、スポット溶接ロボットBX165Nのパワーを活かした乗車型のVRアトラクション「K-Roboride」、医薬ロボットによる液体分注など、多彩な展示を通じてロボット技術の面白さや可能性を紹介してきました。
来場者はロボットの正確な動作に見入る一方、似顔絵作成やVRアトラクションなどの体験型コンテンツを通じてロボットの可能性を感じることができ、ゴールデンウィークや夏休みなどの大型連休には入場制限を実施する日があるほど、小さな館内に連日多くの方が来場されました。




来館者数増加、ロボットへの期待の変化
開館以来、Kawasaki Robostageの知名度やリピーターは徐々に増加、2018年の年間来館者数は約27,000人となりました。その頃から、STEAM教育や論理的思考力を養うことが目的のプログラミング教育の必修化など、ロボットやプログラミングの注目度が上がったことで、修学旅行や社会科見学といった教育目的での来館が目立つようになりました。学校や旅行代理店からの問い合わせが増え、見学のみならずロボットに関する講義の依頼も発生するようになりました。ロボットを「楽しむ場所」から、「学ぶ場所」へ。来館動機の変化は、Kawasaki Robostage自身の変化にもつながっていきました。
こうした背景を受け、Kawasaki Robostageではスタッフ手作りの夏休みイベントとして「カワサキロボットエンジニアになろう!」を開始。当初は営業フロアの会議室を使った小規模なイベントでしたが、実物の産業用ロボットを操作できる珍しいイベントとして好評を博し、今なお続く中心的教育コンテンツとして歩み始めました。


コロナ禍を乗り越えて
2020年、Kawasaki Robostageは新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けることになります。政府による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などに準拠する形で、2020年3月から2022年3月の約2年間で合計6回、344日間の臨時休館を余儀なくされました。
しかし、そのような状況下でもKawasaki Robostageの活動が止まることはありませんでした。当時、川崎重工ではロボットを活用した自動PCR検査サービスを展開。運営チームはトレードピアお台場の上層階に設置されたこのデモ施設や都内各所の検査場のオペレーションを通じて各部署をサポートしました。
これらの業務と並行し、川崎重工が開発を続けているヒューマノイドロボット「Kaleido」の静止展示やduAroを用いた検温システム設置などの改装を行い運営再開に備えました。



未来のロボットエンジニアを育てる
Kawasaki Robostageの10年を語るうえで欠かせないのが、前述の「カワサキロボットエンジニアになろう!」を通じた人材育成活動です。ロボットに興味を持った子どもたちへ、実際のロボットに触れながら、ロボットの仕組みやものづくりを学ぶ機会を提供するプログラムとしてスタートしました。その規模は年々拡大し、参加者の声を取り入れながらアップデートを繰り返しているこのプログラムは、多くの子どもたちにロボット技術への興味を深めるきっかけを提供し続けています。
さらに、この取り組みを通じた次世代人材育成への貢献が評価され、東京都「こどもスマイル大賞」を受賞するなど、社外からも高い評価を得ています。未来のエンジニアや研究者、その卵たちとの出会いをつくることも、Kawasaki Robostageの重要な使命の一つです。

フルリニューアルで「ショールーム」から「学びの場」へ
このような社会背景と来館者動機の変化、臨海副都心エリアの再開発や教育ニーズの高まりなど、周辺状況の変化を受け、2024年に大規模なリニューアルプロジェクトを開始。設備のリフレッシュにとどまらず、様々な変化に合わせた新しいKawasaki Robostageのあり方を模索するため、プロジェクトチームは企業ミュージアムの訪問やディスカッションを重ね、ターゲット、ストーリー、コンテンツを見直すフルリニューアルを決定。「ショールームから学びの場へ」をスローガンに、ソーシャルロボットとフィジカルAIが実現するロボットの適用範囲の広がりを見据え、来場者がロボットについて学び、ロボットと共に生きる未来を想像する場所として施設を再構築。大規模な内装工事を経て2025年11月にリニューアルオープンしました。
見て楽しむだけでなく、ロボットを学べる施設へ。Kawasaki Robostageは未来の人材育成拠点として新たなスタートを切りました。



人とロボットの共存・協調の実現
2016年、お台場という未来発信の舞台で誕生したKawasaki Robostage。その原点には、開設当初から変わらない「人とロボットの共存・協調」という理念があります。10年前、ロボットとの出会いの場として始まったこの場所は、未来を創る人を育てる場所へと進化しています。
川崎重工ロボットディビジョンは「ロボットと生きる 喜び豊かな未来をささえる」をパーパスとして掲げています。
そんな未来の実現に向け、これからもKawasaki Robostageはロボットを知りたい人、学びたい人、エンジニアを目指す人々が集い、未来への一歩を踏み出す場所であり続けます。

施設情報
住所:東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場1F
営業時間:平日 13:00~18:00、土日祝 10:00~18:00
休館日:火(祝日の場合は開館)、年末年始
ウェブサイト:https://kawasakirobotics.com/jp-sp/robostage/
電話番号:03-6457-2800
歴代展示機材(カッコ内は展示適用事例)
- duAro1(受付/基板組立て/似顔絵作成/ティーチング体験/食品ハンドリング/スマートフォンフィルム貼り)
- BX165N(溶接デモンストレーション/K-Roboride)
- MC004N・MS005N(液体分注)
- K-ROSET(オフラインプログラミングソフトウェア)
- F60コントローラ
- duAro2(検温)
- RHP Kaleido
- duAro2・MC004N・RS007N(アクリルグッズ搬送)
- RS013N・Successor Wizard(遠隔操作体験)
- Nyokkey(会話デモンストレーション/物販商品ハンドリング)
カワサキロボットエンジニアになろう!
「カワサキロボットエンジニアになろう!」についての詳細
https://kawasakirobotics.com/jp-sp/robostage/event/
オウンドメディア「ANSWERS」|学ぶのは、ロボットとともに生きる未来。次世代教育を目指したロボット教室「カワサキロボットエンジニアになろう!
https://answers.khi.co.jp/ja/voices/240808j-01/
東京都主催「こどもスマイル大冒険」において、『カワサキロボットエンジニアになろう!』が「こどもスマイル大賞」を受賞!
https://kawasakirobotics.com/jp/news/20230922/
10周年イヤー関連イベント
ロボットの学びの場「Kawasaki Robostage」にてオープン10周年記念企画を開催
https://kawasakirobotics.com/jp/news/20260326_robostage/
Kawasaki RobostageでソーシャルロボットNyokkeyを用いた物販を開始
https://kawasakirobotics.com/jp/news/20260422_nyokkey/
【Kawasaki Robostage 10周年】duAroを用いたイベントを開催(5月31日まで)
https://kawasakirobotics.com/jp/event/20260428_robostage10th/
【Kawasaki Robostage 10周年】ヒューマノイドロボット「Friends」を期間限定展示!
https://kawasakirobotics.com/jp/event/20260729_robostage_friends/