コロナウイルスの感染拡大を機に急速に普及し、ニューノーマルな働き方として定着したリモートワーク。しかし、製造業・医療・サービスなどの現場では、依然多くの人手が必要で、作業のリモート化は困難とされています。ロボットの遠隔操縦により、そうしたエッセンシャルワークをリモート化する。そんな川崎重工が描く安全で安心なリモート社会をご紹介いたします。
ロボットで未来の“労働力不足”を解消
今後、高齢化が進む日本では、労働人口の減少が深刻化すると言われています。特に危険な現場での作業、身体に負荷がかかるような作業は、担い手の減少が懸念されています。
川崎重工は2030年に目指す将来像「グループビジョン2030」において、「安全安心リモート社会」を掲げ、総合ロボットメーカーとして、ロボットを活用した解決策を社会に向けて提案していきます。
「安全安心リモート社会」とは
テクノロジーの進化によって、多くのオフィスワークはリモートで行うことが可能になりました。しかし、製造の“現場”、医療の“現場”など、未だ多くの“現場”の仕事は人の手で行われているものが多く、多様な働き方を制約するものになっています。
日本のあらゆる“現場”に自由と多様性を──。
ロボットで、“現場”の仕事をリモート化することによって、今、現場で働いている人たちに安全と安心をもたらす。それが川崎重工の掲げる「安全安心リモート社会」です。
安全安心リモート社会2つのアプローチ
01.ロボットによる自動化
これまで人が行っていた作業をロボットが担うことで、現場の3K(きつい・きたない・きけん)労働をリモート化する。
02.ロボットのリモート化
ロボットを遠隔操縦することで、現場の仕事をリモート化。身体的な能力や年齢による制約が緩和されるため、多様な人材の労働参加が可能になります。
患者に負担をかけない腹腔鏡下手術
1969年に日本初の産業用ロボット国産化に成功している川崎重工はロボット支援下手術の普及拡大に貢献するため、2013年シスメックス株式会社との共同出資で株式会社メディカロイドを設立。国産初の手術支援ロボットシステムとして「hinotori™」を開発しました。
Withコロナを支えるカワサキロボット
これまで、PCR検査は医療従事者の人手によって行われていました。作業にあたる医療従事者自身に感染のリスクがあるほか、検査に人手がかかるために現場が逼迫してしまうケースもありました。一連の検査を自動化することにより、医療従事者の感染リスクを低減すると共に、大量の検査を正確に実施することもできます。
記事はこちら>>
Remote Robotics トップ対談
川崎重工とソニーグループは、2021年12月1日よりリモートロボットプラットフォーム事業の新合弁会社「リモートロボティクス株式会社」の営業を開始。全ての人々が社会参加できるリモート社会の実現を目指し、リモートロボットプラットフォームを通じて、安全で安心な新しいワークスタイルを提案していく予定です。同社社長の田中宏和氏、副社長の長谷川省吾氏の両名に、リモートロボティクスの今後についてお話を聞きました。