物流ソリューション

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新型コロナウイルス感染拡大により、爆発的に取扱量が増加した物流業界では、倉庫を中心に自動化が急速に進んでいます。川崎重工はロボットアームの汎用性に無軌道の無人搬送車による機動性を掛け合わせ、自動倉庫への入荷・出荷工程など物流の自動化・最適化をご提案いたします。

物流自動化の“入出庫の壁”に挑む

近年、EC市場の拡大などを背景に、物流業界では労働力不足が深刻化。物流の省人化・自動化は喫緊の課題となっています。

物流の省人化・自動化と言えば、輸送・配送に焦点が当たりがちです。しかし、サプライヤー、流通センター、エンドユーザーという一連の物流プロセスの中で、多くの人手を要しているのが倉庫への荷卸し・ピッキング・パレタイズの工程です。

川崎重工は「倉庫の省人化・自動化」を実現するためのソリューションを提供することで、近未来モビリティにおける輸送と合わせて、物流の自動化を目指します。

「倉庫自動化」のボトルネック

近年、物流業界は「自動倉庫」により、急速に自動化が進んでいます。一方で自動倉庫の前後工程となる、荷卸し・ピッキング・パレタイズの工程は、依然として人手で行われています。

川崎重工の物流ソリューション

01.荷卸し工程の自動化

従来の荷卸し作業における課題

荷卸しの工程にあたっては、トレーラーから運ばれてきた荷物をコンテナから卸して、積み替える必要があります。これまで、なぜこの工程が自動化されてこなかったのか?そこにはコンテナ内の荷物の積み方に問題があります。

コンテナ内では、荷崩れしないように、形状や大きさが異なる様々な段ボールが積まれています。そのため、機械がそれらの段ボールを把持して、積み替えるには難易度が高いものになっていました。

これまではコンテナ内部に人が入り、ベルトコンベヤに荷物を載せたり、フォークリフトで荷物を積み直したりという作業が発生していました。

川崎重工が提案する荷卸し工程のソリューション
Vambo(バンボ) 荷卸し・荷積みロボット

ロボットアームと無人搬送車(AGV)を組み合わせた荷卸し・荷積みロボット。幅広い可動範囲と大きな可搬重量をあわせ持つ、垂直多関節ロボットアーム、周囲の環境を認識するビジョンセンサー、そしてロボットアームをコンテナ内の作業位置まで搬送する無軌道の無人搬送車(AGV)が特徴。

川崎重工による荷卸し工程の自動化
Vamboがコンテナ内まで自走すると、ビジョンセンサーで段ボールの形状を認識。ちりとりのような形状のハンドと垂直多関節ロボットアームでさまざまな形状や大きさの段ボールをピッキング。そのままベルトコンベアに載せることができます。コンテナから荷卸しされた荷物は、ベルトコンベヤの終点部で待つパレタイズロボットによって、フォークリフト用のパレットに移し替えられていき、荷卸し完了。川崎重工はこれら一連の作業をすべて自動化することができます。

02.ピッキング工程の自動化

従来のピッキング作業における課題

「自動倉庫」からプラコンと呼ばれる箱で荷物が自動的に送られてきます。プラコンから荷物を取り出し、発送用の段ボールの組み立て・梱包作業といった発送先ごとに詰め替える作業は、人手によって行われています。

川崎重工が提案するピッキング工程のソリューション
duAro2(デュアロ2) 双腕スカラロボット

人と同じ空間での共存、協働作業が可能な双腕スカラロボット。人一人分のコンパクトな設置スペースで作業ができ、コントローラを内蔵したキャスター付きの台車により、簡単に移動・設置も可能。双腕を活かして、さまざまな形状・大きさの荷物をピッキング、詰め替え作業が可能です。

RS013N 6軸垂直多関節ロボット

垂直多関節ロボットならではの3次元的な動作が特徴のRS013N。

川崎重工によるピッキング工程の自動化は、RS013Nが段ボール箱を組み立て、duAro2がプラコンから段ボール箱への梱包作業といった、これまで人手で行われたピッキング、梱包の工程を自動化します。

03.パレタイズ工程の自動化

従来のパレタイズ作業における課題

最後の工程が、荷物が詰められた段ボール箱をパレットに積み込むパレタイズと呼ばれる作業。重量物を迅速かつ安定的に積む必要があり、人手で行う作業では大きな負担を強いられていました。

川崎重工が提案するパレタイズ工程のソリューション
CP180L パレタイジングロボット

業界最速の処理能力を誇る川崎重工の高速パレタイジングロボット。食品、薬品、印刷物など様々な業界の多様なニーズや多品種少量化の生産に対応します。

川崎重工が提案するパレタイズ工程の自動化
コンベヤから送られてきた段ボール箱をRSシリーズのロボットアームで所定の場所に整列。整列された段ボール箱をパレタイジングロボットが迅速かつ正確に掴み、パレットへ適切に積み上げていきます。

これまで多くの人手を要していた物流プロセスの「荷卸し」「ピッキング」「パレタイズ」。川崎重工はこれらの「自動化・省人化」に取り組むことで、サプライチェーンの効率化に寄与していきます。