川崎重工の人共存型双腕スカラロボット「duAro」は、女子大生の私でも簡単に使えた!

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こんにちは! 女子大生の里見です。私は今、兵庫県・神戸市西区にあるロボット工場に来ています。

今日の取材はロボットのプログラミング方法を学ぶというものです。

私はね、編集長に言ったんですよ、「機械音痴だ」って。そうしたら「里見さんほどの機械音痴でも操作できるみたいだから取材してきて」って言われたんですよ。私は返事してやりましたよ、「どうなっても知りませんよ」って。

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そんなこんなで、開き直ってやってきたのは、日本でも有数のロボット企業・川崎重工の西神戸工場です。

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50年間に渡り、産業用ロボットで世界中の生産性向上をサポートしてきた川崎重工。工場内にある一般非公開のショールームでは、同社が開発した自動車の溶接や塗装に使われる大型のロボットアームから、

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創薬時の分注作業を行なうような細かい作業ができる小型のロボットアームまで、様々なロボットを間近に見ることができます。

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ロボット見学でつい浮かれてしまっていたのですが、本番はここから。私はここにロボットを操作しに来たのでした。

今回操作するのはこちらのロボットです!

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人共存型双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」です! 川崎重工にある80種以上のロボットのラインナップの中でも、過去にない速度で販売数を伸ばしているというduAroシリーズ。すごい人気者のようです。

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・・・ていうか、ガチのロボットじゃないですか。おもちゃのロボットですら手こずるのに。

安全にも配慮された「duAro」

ショールームからカワサキロボットスクールに移動して講習開始。

まずはロボットを操作する上で大切な「安全」について学びます。産業用ロボットは、過去に世界中で様々な不慮の事故を起こしてしまっているため、「ロボットの周囲に柵を設けないといけない」など、使用者を守るための数多くの決まりができました。

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でもここにいる「duAro」はなぜか柵に囲まれていません。実はduAroは安全を担保するための様々な機能や柔らかな表面素材の採用によって人の隣で働くことができるんです。

外装はウレタンで柔らかく、力も強すぎず、万が一ぶつかっても衝突検知機能がロボットを停止させ、事故を防止してくれるので
安心、安心。

duAroは、二つの腕を持ち、腕が水平に移動する「双腕スカラロボット」というジャンルのロボット。人ひとり分のスペースに設置できるようなサイズが特徴的で、かつ台車がついているため簡単に移動させることもできます。

これまでの産業用ロボットは、広々としたスペースを確保して柵を設置する必要があり、小さい工場では導入が難しかったのですが、duAroはこの「小型」で「移動可能」で「安全」ということで、過去にロボットを導入したことがなかったような工場にもどんどん導入されているのです。

さらに一番の特長は「簡単に使える」ことだと言います。さて、本当に私でも使えるのかな?

duAroを操作してみる

通常、産業用ロボットを操作するには、専用のティーチペンダントを使う必要があります。しかし「duAro」はAndroidのタブレットから操作が可能です。

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産業用ロボットで用いられるティーチペンダント
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duAroはAndroidタブレットから操作可能

duAro本体とWi-Fiで接続し、専用アプリ「Robot Teacher2」から操作するだけ。視覚的にもわかりやすいUIとタッチ操作により、直感的なロボットの操作が可能。リアルタイムに動かすことや、プログラミングをすることができるのです。

それでは、duAroの操作方法を勉強していきます! サポートしてくださるのは、スクール講師のカワサキロボットサービス 大越智 陽香さんと、川崎重工の関口斐子さんのお二方。

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カワサキロボットサービス 大越智 陽香さん(中)と、川崎重工の関口斐子さん(右)

おふたりとも優しすぎて、すぐに大好きになりました。

大越智さん:ここのボタンを押すと右腕が上がりますよ。

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里見:ふむふむ。あ、本当だ! 腕が上がった!

大越智さん:こっちを押すと左腕が横に動きます。

里見:あ、動いた! こうすれば両手を動かせるんですね。

アプリからプログラミングができるだけでなく、「ダイレクトティーチ」をすれば、duAroの腕に触れて直接動かすことでプログラミングを作ることもできます。腕を動かして、腕の位置を記録。これを繰り返すだけでプログラミングができるのです。制御可能な関節が8個(片腕4自由度)もあるので、一つ一つプログラミングしていくのは時間がかかってしまいますが、ダイレクトティーチにより大きな動きをすぐに作ることができます。

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細かな調整はアプリ画面から、大きな動きはダイレクトティーチで作っていくことで、プログラミングの速度も上がります。

ちなみに、ダイレクトティーチで腕の位置を記録していく際に、A地点からB地点までの腕の移動はduAroが最適なルートを選んでくれるため、スムーズな腕の動きになります。また、2本腕同士がぶつかりそうな時には自動で止まってくれるため、壊れてしまう心配などもありません。

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操作方法を教わっている様子

昼食休憩を挟んで講習を受けること1時間半。「里見さん覚えが早いですね!」と言ってくれる褒め上手なお姉さん方のお陰で、楽しくプログラミングの方法を学ぶことができました。

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褒められて良い気分になっている様子

普段スマホを操作してる感覚で、自分と同じくらいのサイズのロボットを操作できるのは、新鮮な体験でした。続いて自作のプログラミングに挑戦していきます!

プログラムを自作、duAroにチョコレートを詰めてもらう

バレンタインが近いということもあり、チョコレートを詰める作業をduAroに行なってもらうプログラミングに挑戦してみます!市販のチョコレートを、duAroが吸い上げて、かごの中に入れていくという作業です。

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duAroは手先を交換することができるので、物を掴むだけでなく、吸着させることができます。

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1時間程度でプログラミングが完成し、「もっと早くするには」「もっと効率的にするには」と試行錯誤をして完成したのがこちらです。

薄くて大きい紙を吸い上げることができるのはduAroが双腕だからこそ。そして危険が少なく、人が近くで働けるからこそ、協働作業ができるのです。

後日・・・

後日、川崎重工さんの東京本社に出向き、ロボット事業を統括する川崎重工株式会社 取締役 常務執行役員 橋本康彦さんに、バレンタインのチョコレートをお渡ししてきました!

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川崎重工業株式会社 取締役 常務執行役員 橋本康彦さん

duAroを開発してくださり、ありがとうございました…。こんなに私がお姉様たちから褒めて頂いたのも、duAroがあったお陰です。 duAroと私が共同作業で詰めたチョコレート、ぜひ美味しく召し上がってください!

duAroのポテンシャルはこんなものじゃない

機械音痴の私が、たった1時間のプログラミングでここまで作ることができ、自分でも驚いていますが、もちろんduAroのポテンシャルはこんなものではありません。カメラと組み合わせたり、AIと組み合わせることで、様々な動きが可能になるのです。

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ショールームにはduAroが実世界でどう使われるかを体験できるデモスペースもありました。

duAroによる似顔絵

duAroは似顔絵だってお手のもの。外部カメラを取り付け、撮影した顔写真をもとに、duAroが似顔絵を描いてくれるというシステムを体験しました。

およそ1分30秒くらいで似顔絵が完成。双腕だからこそ素早く描けるのですね!

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duAroが描いた似顔絵

ちなみに、この似顔絵を描いてくれるduAroは、東京・お台場にある川崎重工のショールーム「Kawasaki Robostage」でみなさんも体験できるようです!

関連サイト
Kawasaki Robostage

スマホの保護フィルムを貼るduAro

不器用な私には苦手な「スマホの保護フィルム貼り」。それをduAroは完璧にこなしてしまいます。

スマホ画面を綺麗にしてから、フィルムを持ち上げ、剥がし、貼り付け、上から抑えていく。完璧な動作でスマホに保護フィルムを貼りました。人間ではこんなに綺麗にフィルムを貼ることなんてできませんよね。

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他のシステムと連携していくことでますます可能性が広がるduAro。人間と一緒に働けるこの双腕ロボットに「何をさせてみたいか」と考えるだけでワクワクしてきます

西神戸でのロボット体験はこれにて終了。丁寧に教えてくださる川崎重工の皆様のおかげで、機械音痴な私でも本当に操作することができました!

記事掲載元:ロボスタ 2019年2月14日より転載