導入事例:食品工場の自動化 – 蓋閉め工程をロボット化しライン全体で6名の省人化を実現(大徳食品株式会社)

ー大徳食品に見る“高処理・省人化”を実現するロボット活用事例ー

大徳食品株式会社

大徳食品株式会社(以下 大徳食品)は創業から120年以上の歴史を持つ山崎製パングループの食品メーカー。奈良県に本社を置き、全国の工場で麺類をメインに多品種を製造、大手スーパー・コンビニを中心に供給しています。
宇都宮事業所は“品質へのこだわり”をモットーに最新の生産設備を揃え、24時間365日稼働で多品種を扱い、北は青森、西は静岡までの広範囲に供給している関東の基幹工場です。

今回は、食品工場におけるラインの一部自動化を実現した事例をご紹介します。

導入背景:なぜ蓋閉め工程が自動化対象となったのか

大徳食品 宇都宮工場

大徳食品 宇都宮工場では、以下のような状況がありました。

■ 慢性的な人手不足と人件費上昇
・工場全体として人材確保が難しくなっており、特に単純作業の担い手不足が顕著
・件費上昇傾向による効率化の必要性

■ 作業負荷の高い工程の存在
・蓋閉め工程は力が必要で作業員の負担が大きい
・長時間の繰り返し作業となり負荷が高い

■需要増加による生産能力の不足
・焼きそば類の需要は年120%ペースで増加している
・アウトパック化の進展による供給量拡大への対応が必要

こうした背景により、蓋閉め工程が自動化検討の最優先事項となりました。

解決策:1300食/時を実現する高速蓋閉めロボット

大徳食品が導入した蓋閉め工程を自動化する専用ロボットシステム

大徳食品が導入したのは、蓋閉め工程を自動化する専用ロボットシステムでした。

食品業界特有の課題もあり、導入は容易ではありませんでしたが、システムインテグレータとの密な連携で条件調整・設計改善を繰り返すことにより、自動化を実現しました。

<必要要件>
・ 目標性能
タクトタイム:1300食/時。一般的な工場の約2倍をめざす
・食品工場特有の条件
微細な異物混入リスク、衛生基準への対応が必要
・ 四角型容器への対応
丸形より蓋閉め精度の要求が高い四角型容器の需要が高く、力加減の制御が難しい
・高頻度の品種切替を見据える
将来的に幅広い容器に対応するバージョンアップを見据えた設計

<導入システムの特徴>
・ラックから蓋を2枚同時に吸着、2枚同時に蓋閉め
・異物混入対策など食品衛生面の基準をクリア
・ビジョンを使用せずコンベアと連動した構成
・十分なワークのストックが可能で、連続稼働中でもワーク供給は約20分に一回程度
・難易度の高い四角型容器に対応

導入効果:省人化と生産性向上の実現

川崎重工 大徳食品内で働くロボット

稼働開始から約4か月で、確かな成果と手ごたえが得られました。

■ 大幅な省人化
・蓋閉め工程で2名、ライン全体で6名の削減が実現

■ 高い投資効果
・約2年以内での費用回収を見込む高い費用対効果

また、現場からは、以下のような声が上がっています。
「力作業がなくなり、負担が減った」
「女性作業者にとって特に助かる工程だった」
「海外出身のスタッフでも問題なく扱えている」

さらに、動画による教育資料を作成したことで、現場へのスムーズな導入と定着を実現しています。

今後の展望:さらなる柔軟化と自動化の拡張へ

大徳食品宇都宮事業所では、今後もさらなる容器バリエーションへの対応、ワークストック量の拡張など、より柔軟な自動化システムを目指し、将来的にはより広範囲の工程で自動化の可能性を検討しています。

川崎重工 大徳食品内で働くロボット

まとめ

今回の自動化のポイントは以下の通りです。

・単純作業の分離:人がやるべき仕事(複雑な盛り付けなど)とロボットがこなす仕事の役割を明確化
・負担の大きい工程の置換:人が継続困難な作業から優先で自動化
・高スループット化:人手では到達できない処理能力

自動化は大規模投資から始める必要はなく、「負担が大きく・単純な工程」から始めると効果を実感しやすいといえます。今回の例では、作業負荷が大きく繰り返し回数の多い工程として蓋閉めを選定し成果につなげました。

川崎重工 大徳食品内で働くロボット

お客様プロフィール

会社名:大徳食品株式会社
事業所:宇都宮事業所
業種:食品製造業
製品:惣菜・麺類製品 等

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