
- 適用用途ハンドリング
- ロボットシリーズZXシリーズ、BXP/BTPシリーズ
木工業界は、世界市場の拡大と、持続可能かつ革新的な木製製品への需要の高まりを背景に、急激な成長と変革の真っただ中にあります。
1983年に設立されたFabbrica Uniqueは、北米有数のミルワーク(木工内装)サービスプロバイダーへと成長し、小売、ホスピタリティ、住宅分野において、カスタムメイドのソリューションで高い評価を得ています。
Fabbrica Uniqueは、店舗や商業施設、住宅空間における内装・木工ミルワークのデザインが、ブランドや空間の印象を大きく左右することを理解しています。そのため、設計力に加え、高精度な製造ときめ細かな対応を強みとして事業を拡大してきました。一方で、規模拡大に伴い、従来の手作業中心のものづくりだけでは、品質を安定して維持することが難しいと判断し、新たな技術の導入が必要だと認識するようになりました。
そこで同社が次なるステージを見据えた際に選んだパートナーが、カナダのオンタリオ州ロンドンを拠点とするシステムインテグレーター、Edge Automationです。数十年にわたる経験を持ち、自動化において定評のある企業です。
卓越したオーダーメイドの職人技を、さらに高みへ
職人技への強いこだわりを持つFabbrica Uniqueにとって、自動化の導入検討は大きな転換点でした。なぜなら一点一点がオーダーメイドの製品を「唯一無二の手仕事」として扱う現場にロボットを導入するという発想は、当初は抵抗を伴うものでした。製品一つひとつに込められた美意識やストーリー性を大切にしてきた従業員にとって、ロボットは自社のアイデンティティを脅かしかねない存在にも映ったのです。

ソリューション
- 大型・重量物のキャビネット用パネルを高精度にハンドリングし、作業者の身体的負担を軽減しながら、品質基準を維持。
- 幅3インチ(約76mm)~長さ96インチ(約2,438mm)まで、サイズの異なる木製パネルのアンロード、穴あけ、ダボ加工に対応
- パネルは「部品ファミリー」「キッチン単位」「共通寸法」に基づいて自動仕分け
- CNCネスティング加工後の自動アンロード
- 直感的に操作可能なヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)
- 手動/自動/ハイブリッドの各仕分けモードに対応
Fabbrica Uniqueでは、サイズや形状が異なる多数の木製パネルを扱うため、加工後の取り扱いや仕分けまで含めた、高度で柔軟な自動化が求められていました。こうした複雑かつ高い要求に応えるため、Edge AutomationはCabSort™ MAX と呼ばれるロボットシステムを提案しました。
CabSort™ MAXは、川崎重工製の大型汎用ロボット ZX130L を、木製パネルの搬送・仕分けといったマテリアルハンドリング用途に使用したロボットセルです。



本システムは、CNCネスティングマシンの加工が終わった直後の出口(排出コンベヤ)に直結する位置に設置されています。CNCネスティング加工とは、1枚の大きな板材の中に複数の部品形状を効率よく配置し、一度の加工でまとめて切り出す方法であり、材料を無駄なく活用できる一方、加工後には多品種・多サイズの部品が同時に出来上がるという特徴があります。
CNCマシンの切断サイクルが完了すると、切り出された各パネルには自動でラベルが貼付されます。このラベルにより、「どの製品に使われる部品か」「次にどの工程へ送るべきか」といった情報が明確になり、部品の識別とトレーサビリティを確保した状態で、後工程へ引き渡すことが可能になります。ラベルが貼られたパネルは排出コンベヤを移動し、ロボットがその情報をもとに仕分け・搬送工程を開始します。
専用に開発されたビジョンシステムと、木製パネルを安定して把持できるエンドエフェクタ(EOAT)を組み合わせることで、ロボットは形状やサイズの異なる部品を正確に識別し、必要な順序・配置で高精度に仕分けを行います。
このCabSort™ MAXシステムの導入により、従来は人が行っていた
・重量物の持ち上げ
・部品の判別
・繰り返しのアンロード作業
といった、時間と労力を要し、身体的負担の大きい作業を自動化することができました。
その結果、加工後工程の効率化と作業品質の安定化が同時に実現しています。
CabSort™ VAULTによる垂直統合
CabSort™ MAXの導入により、Fabbrica Uniqueは、生産効率と処理能力(スループット)の大幅な向上を実感しました。その結果、切断後工程における課題が解消されただけでなく、次のステップとして、パネルの保管・搬送・組立工程への投入順を制御する「シーケンシング」工程を、さらに高度化できる可能性が見えてきました。こうした背景から、同社は加工後工程全体の最適化を目的に、パネルハンドリングと工程間連携をより一層効率化する方法を検討し始めました。
そしてCabSort™ MAX導入からわずか6か月後、Fabbrica UniqueはEdge AutomationのCabSort™ VAULTを生産ラインへ追加導入し、自動化の領域をさらに拡張しました。CabSort™ VAULTは、パネルを立体的に保管・管理するためのシステムで、高速かつオーバーヘッド(天吊り)用途向けに設計された、川崎重工製の大型汎用ロボット BT200L(棚置き) を採用しています。
棚構造と天吊りロボットを組み合わせることで、床面スペースを有効活用しながら、大量のパネルを順序通りに扱うことが可能となっています。







CabSort™ VAULTシステムにおいて、川崎重工の BT200L は高い処理能力を発揮します。
最大可搬質量200kg、最大リーチ3,151mmを誇るこのロボットは、大型パネルを高速かつ高精度にハンドリングすることが可能です。オーバーヘッド設置構造に加え、CabSort™ VAULTの縦方向レイアウトを活かすことで、床面スペースを有効活用しながら、高効率な保管およびシーケンシングを実現しています。これにより、工場レイアウトの柔軟性向上と、生産全体の最適化に大きく貢献しています。
導入効果:作業時間80%短縮、材料歩留まり最大化、省スペース化を実現
CabSort™ MAX
- 手作業による仕分けと比較して最大80%の高速化を実現
- 材料ロスを削減し、材料歩留まりを最大化
- 一品生産からバッチ生産への移行により、
- 単位当たりの人件費・材料費を削減
- 生産時間を短縮
- 高まる需要に対応可能な生産体制へスケールアップ
- CNCネスト材の自動アンロード:1シフトあたり平均50~70シートを処理
- パネル・メイティング機能
CabSort™ VAULT
- 奥行48インチのスロットに最大2,800枚※のパネルを収納可能
(サイズ:3”×8” ~ 96”×48”) - **組立順に並んだキャビネットボックスキットを最大230セット※**保持
- 垂直構造を活かした省スペース設計により、
※8時間アウトフィード運転時
熟練職人のように、CabSort™テクノロジーはFabbrica Uniqueの創造プロセスの一員となりました。
反復的で危険を伴う作業から人を解放し、チームは本来注力すべき「物語性のある、卓越したものづくり」に集中できるようになっています。
川崎重工ロボットとともに切り拓く、自動化の新境地
Edge Automationは、顧客ごとの課題に最適化された自動化ソリューションを提供するスペシャリストです。業界横断で培った数十年にわたる経験をもとに、複雑な製造課題の解決を強みとしています。
既存設備へのロボット組み込み、カ設計、最新技術を活用した生産能力の拡張まで、柔軟かつ実践的なアプローチで対応しています。
Edge Automationは、主要なロボットメーカー各社と協業しています。しかし、高度なカスタマイズや本当の意味でのプロジェクト協業が求められる、特に難易度の高い案件においては、川崎重工が際立った存在と語ります。
彼らは単にロボットを提供するのではなく、「自動化ソリューション」を提供してくれます。
まるで自然な対話をしているかのように、「課題はこれだが、どうすれば一緒に解決できるか?」
というところから議論が始まるのです。煩雑な手続きもなく、対応の遅れもない。柔軟でレスポンスが早く、プロジェクトに正面から向き合ってくれるパートナーであり、まるで自社チームの一員のように感じられます。
こうしたサポートが、プロジェクトの成否を分ける決定的な違いを生むのです。ジェラード・レギア
Edge Automation 社 代表取締役社長
導入が成功する理由(Why It Works)
- 協働型エンジニアリング
川崎重工のチームは、構想段階から早期かつ継続的にプロジェクトへ関与。
コンセプト設計から立ち上げまで、顧客とともに最適なソリューションを形にします。 - 妥協のないカスタマイズ対応
ソフトウェア連携であれ、機械設計であれ、
プロジェクトにロボットを合わせるのが川崎重工のスタンス。
既成仕様に当てはめるのではなく、要求に応じて柔軟に適応します。 - 結果につながるレスポンス力
成否を左右する自動化プロジェクトでは、スピードが何より重要。
川崎重工の高い柔軟性と手厚いサポート体制が、
Edge Automationの**「確実な納期遵守」を支えています。**