松浦梱包輸送株式会社 岡崎東ロジスティクスセンター × 川崎重工業株式会社
物流の未来を切り拓く、地域密着型の提案型企業
静岡県掛川市に本社を構える松浦梱包輸送株式会社は、1968年の創業以来、半世紀以上にわたり物流業界で確かな実績を築いてきました。現在では、静岡県内を中心に13の拠点を展開し、自動車部品の輸送や倉庫管理、廃棄物収集運搬、学校給食配送、貸切バス事業など、多岐にわたるサービスを提供しています。

同社の特徴は、単なる物流業務にとどまらず、お客様のニーズに寄り添った「提案型物流企業」としての姿勢です。独自の入出庫管理システムや在庫管理体制を構築し、柔軟かつ高付加価値なサービスを提供することで、時代の変化に対応しています。
また、「人にやさしく人を大切にする企業」という理念のもと、地域社会との共生を重視。SDGsへの取り組みとして、地域の清掃活動や環境保全活動にも積極的に参加しています。
このような企業背景を踏まえ、松浦梱包輸送株式会社では、労働力不足や作業者の身体的負荷軽減といった課題に対応するため、川崎重工業の「デパレタイズソリューション」を導入しました。ここからは、その導入背景や効果について詳しくご紹介します。
人に優しく、人を大切に——会社理念を体現するロボット導入
創業から半世紀以上、自動車部品の輸送に携わってきた松浦梱包輸送株式会社。静岡県掛川市に本社を置き、中部・東海エリアを中心に13拠点を展開しています。同社の岡崎東ロジスティクスセンターでは、2023年に川崎重工製のロボットを活用した自動化ソリューションを導入。労働力不足の課題と向き合いながら、現場作業の負荷軽減と効率化を目指しています。
自動化の第一歩は、身体に優しい職場づくりから
「人に優しく、人を大切に」という企業理念のもと、松浦梱包輸送では、従業員の身体的負荷をいかに軽減するかが長年のテーマでした。岡崎エリアはトヨタ自動車をはじめとする大手企業が集積する地域で、慢性的な人手不足が続いています。物流現場の主力作業である荷物の仕分けは、特に人手を要する業務でした。

そんな中、社長の「重労働をなくし、優しい職場をつくりたい」という想いから、自動化の検討がスタート。ある日、取引先の配送センターで稼働していたロボットの動きを目にしたことをきっかけに、導入に向けた具体的な検討が始まりました。
作業者の代わりに重量物を担う“もう一人のチームメンバー”
岡崎東ロジスティクスセンターでは、毎日1万5千〜2万箱の荷物が届きます。その中でも重量物や大型の段ボールは、作業者にとって最も負担の大きい存在でした。今回導入した自動化ソリューションは、そうした箱の仕分け作業を担います。複数サイズ・形状の荷物を見分け、素早くかつ安定的に取り扱う機構が組み込まれており、従業員の代わりに“もう一人のチームメンバー”のように働いています。

実際、1日あたり約2,000箱をこの仕分けラインが処理。人の手では時間がかかる重量物にも柔軟に対応し、他の軽作業に人員を振り分けられるようになりました。
要望に寄り添う柔軟な対応と、現場に最適化されたロボット
導入にあたり、他社の製品も比較検討されましたが、荷姿への対応力やコスト面での折り合いから川崎重工のソリューションが選ばれました。「現場ニーズに柔軟に応えてくれて、理念と一致していたのが決め手でした」と担当者は語ります。

今回導入されたモデルには、松浦梱包輸送の現場仕様に合わせて開発された専用ハンドが搭載されています。重量物・大型箱に対応する設計に加え、箱の材質やサイズに応じた把持性能を備えており、川崎重工にとっても初の試みとなる仕様でした。
初めてのロボット運用、不安を乗り越えた“支え合い”

同社にとってロボットの運用は初めての挑戦。導入直後は、軽微なトラブルや操作ミスに戸惑う場面もありました。しかし、川崎重工のサポートが迅速に対応し、現場と一体になって運用を支援。ノウハウの蓄積とともに、現場でも安心して使える体制が整いました。
「電話一本で相談できる体制があることで、不安なく使い続けられています。今では現場内にロボットの運用知識も蓄積され、自信を持って使えるようになりました」との声も聞かれます。
自動化が生み出した“安心”と“未来への構想”
導入の効果として、1人工分の工数削減だけでなく、作業者の身体的な負荷軽減という大きなメリットが実感されています。特に、重量物の取り扱いによる腰や肩への負担が大幅に軽くなった点は、現場の働きやすさに直結。「ロボットが動いているかいないかで、体の疲れ方が全然違います」と話す現場担当者の言葉が印象的です。
現在は仕分け工程での活用に留まっていますが、今後は“積み付け”などの工程にも自動化を拡げていく構想が進行中。構想図面もすでに完成しており、2台目の導入も視野に入れています。

最後に
“人に優しい職場づくり”という理念を出発点に始まった今回のロボット導入。川崎重工の技術とサポートが、松浦梱包輸送の現場改革を後押ししました。ロボットが担うのは単なる作業の自動化ではなく、人の体と心を守る“新しい労働環境のかたち”。これからも両者の協働によって、より持続可能で柔軟な物流の未来が創られていきます。